スパイスとハーブはそのまま料理に使うだけでなく、カレーのようにスパイスとハーブが使われていることを忘れてしまうようなメニューもたくさんあります。
今では家庭でも日常的に使われるようになったスパイスとハーブですが、そもそもスパイスとハーブとは何か?と聞かれると、「香りや辛みのある葉っぱや種」のようにイメージする方が多いのではないでしょうか。
スパイスとハーブの定義は地域や立場などに依って、いろいろな考え方があります。
スパイスとハーブがどのように定義されるものかを知ると、意外と難しくない、もっと簡単に接してよいものだということが分かっていただけると思います。
この記事では数あるスパイスとハーブの定義の中で、1つの考え方をご紹介したいと思います。
スパイスの定義
- 芳香性や刺激性のある、飲食物に香りや辛み、色などを付ける植物由来の食品
スパイスとは、食品の分類としての一名称で、「芳香性や刺激性のある、飲食物に香りや辛み、色などを付ける植物由来の食品」を指します。
ごく一部に、魚のように植物以外を利用するものもありますが、基本的にはほとんどが植物由来のものです。
「スパイス=辛いもの」とイメージされる方は多いと思いますが、必ずしも辛いわけではなく、むしろ辛みを持つスパイスの方が少ないのです。
また、乾燥しているか生のまま使うか、葉っぱを使うかそれ以外の部位を使うか、など状態や部位は定義の上では関係ありません。
わさびのように生のまま使うスパイスや、ローリエのように葉を使うスパイスはたくさんあります。
ハーブの定義
- 薬草としてヨーロッパの伝承医療で使われてきた草本
「ハーブ(herb)」とは、ラテン語の「ヘルバ(herba):薬草の意味」が語源で、もともとヨーロッパの伝承医療で薬草として使われてきた草本(草花)を指します。
草本ですので、木質化した樹皮を持ち、年輪を形成するような木本(樹木)は含まれません。
ハーブには「良い香りがする」「食べられる」というイメージがあるかもしれませんが、薬草として使われていたという背景のため、香りがないものや食べられないものもあります。
また、「毒を以て毒を制す」のように、毒のあるものを薬として使用した歴史のある草本もハーブに含まれます。
現在は、ハーブを「薬」として使用することはできず、「ハーブは薬」「ハーブは◯◯に効く」など、ハーブに薬効があると言うことはできません。
なので現在では、料理やクラフトなど、生活に取り入れることができる、役に立つ芳香性の草本、という理解が実態に近いのではないでしょうか。
スパイスとハーブの定義 まとめ
スパイスとハーブは一緒くたにして考えられることが多いですが、定義や由来からも実は全くの別物だということが分かります。
ですが、ここでご紹介するスパイスとハーブはほとんどが料理に使う食用のものです。
これらの考え方に基づいて、スパイスとハーブを「飲食物に香りや辛み、色を付ける植物由来の食品」としてまとめて扱わせて頂きます。